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医療職といっても、職種によって年収は大きく異なります。今回は臨床工学技士・看護師・医師(勤務医)の平均年収を並べて比較し、なぜここまで差が出るのかを整理してみます。
そもそも臨床工学技士がどんな仕事か気になる方は、先に臨床工学技士とはを読んでおくと内容がつかみやすいと思います。
平均年収を並べてみる

| 職種 | 平均年収 |
|---|---|
| 臨床工学技士 | 約454万円(平均37.6歳) |
| 看護師 | 約525万円(平均42.1歳) |
| 医師(勤務医) | 約1,512万円 |
臨床工学技士と看護師は厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)の令和7年賃金構造基本統計調査ベース、医師は令和6〜7年の賃金構造基本統計調査を参照しています。医師の数値は、企業規模10人以上の民営事業所で雇用される勤務医の平均で、税引前の額です。開業医の所得や、手取り額とは異なる点にご注意ください。
なぜここまで差があるのか
資格取得までの年数と難易度
医師は6年間の医学部教育に加え、国家試験合格後も初期研修・専門研修と長い教育期間を経て一人前になります。看護師・臨床工学技士はいずれも3〜4年の専門教育で国家資格を取得できます。教育期間の長さと、その間に働けないことによる収入面の差は、年収差の土台になっている要素の一つです。
責任の範囲
医師は診断・治療方針の決定という最終的な医療判断の責任を負います。看護師は患者さんに直接触れるケアの中心的な担い手です。臨床工学技士は医療機器という「もの」を通して医療を支える立場であり、患者さんへの直接的な医療行為の範囲は他の2職種より限定的です。この責任範囲の違いが、待遇面にも反映されていると考えられます。
資格保有者数と代替可能性
医師は資格取得のハードルが高く供給が限られる一方、需要は非常に大きいため、希少性が年収に反映されやすい構造があります。看護師・臨床工学技士は、医師と比べると資格取得者数が多く、需給バランスの面でも差が出やすくなっています。
平均年齢をそろえて考えると
看護師の平均年齢は42.1歳、臨床工学技士は37.6歳と、4歳以上の差があります。臨床工学技士の年代別の年収を見ると、40〜44歳で約517万円、45〜49歳で約543万円と、同じ年代で比べれば看護師の平均年収に近い水準になります。平均年収の差の一部は、職種の違いというより年齢構成の違いによるものだと言えそうです。
単純比較できない理由
ここで挙げた数字は、あくまで平均値であり、年齢構成や勤務形態の違いを均していない点に注意が必要です。例えば臨床工学技士は業界全体の平均年齢が若い職種のため、統計上の平均年収は同年代の他職種と比べて必ずしも低いとは限りません。また、医師の年収には診療科・地域・開業か勤務かによる大きなばらつきがあり、「医師=誰でも1,500万円」というわけでもありません。
臨床工学技士の立場から見た「差」の受け止め方
正直なところ、医師や看護師と年収を比べて落ち込む必要はないと思っています。それぞれ教育年数も責任範囲も違う、別のキャリアだからです。大事なのは他職種との比較よりも、「同じ臨床工学技士という枠の中で、どう年収を上げていくか」という視点だと考えています。この点については、以前の記事(年代・経験年数別の年収記事)で具体的に書いているので、あわせて読んでみてください。
透析室で医師がどんな仕事をしているかは、透析室の医師の仕事内容でCE目線で紹介しています。
近い職種(臨床検査技師・診療放射線技師)との比較
同じ「コメディカル系の国家資格」である診療放射線技師・臨床検査技師・理学療法士とも比べてみます。どれも3〜4年の専門教育を経て取得する国家資格ですが、年収や求人倍率には違いがあります。
| 職種 | 平均年収 | 平均年齢 | 有効求人倍率 |
|---|---|---|---|
| 診療放射線技師 | 556.5万円 | 41.1歳 | 1.07倍 |
| 臨床検査技師 | 482万円 | 40.2歳 | 1.50倍 |
| 臨床工学技士 | 454.2万円 | 37.6歳 | 1.73倍 |
| 理学療法士 | 443.6万円 | 36.2歳 | 4.67倍 |
出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)。年収・年齢は令和7年賃金構造基本統計調査、有効求人倍率は令和7年度ハローワーク求人統計をもとに作成されたもの。
診療放射線技師は当直・オンコール手当の影響もあって最も高く、理学療法士は求人倍率が突出して高い一方で年収は控えめです。どの職種も、資格そのものの違いより、勤務先の規模・保有資格・勤務形態による差の方が大きいという傾向は共通しています。
看護師への転向という選択肢
ここまで見てきた通り、看護師の平均年収は臨床工学技士よりやや高い水準にあります。医療現場という共通点を活かしつつ、待遇面も含めてキャリアを見直したい場合は、看護師専門の転職サービスで実際の求人を覗いてみるのも一つの手です。レバウェル看護は看護師の転職支援に特化したサービスで、無料で求人を確認できます。
まとめ
医師・看護師・臨床工学技士では、教育年数・責任範囲・資格保有者数の違いから、平均年収に大きな差があります。ただし、これは職種としての価値の優劣を意味するものではなく、それぞれ役割が違うからこその結果です。他職種との比較にとらわれすぎず、自分のキャリアの中でできることを積み重ねていくのが、結果的に一番の近道だと感じています。
よくある質問
Q. 看護師から臨床工学技士に転職する人はいる?
A. 別の資格が必要になるため看護師からの直接転職はできませんが、看護師の経験を経て臨床工学技士を目指す人はいます。医療現場を知っているアドバンテージは大きいはずです。
Q. 最初から医師を目指した方が良かった?
A. 教育年数も責任範囲も全く違うキャリアなので、後悔してもしなくても比較する意味は薄いと思っています。自分は機械を通して医療を支える方が性に合っていました。
Q. 医療職の中で一番安定しているのはどれ?
A. どの職種も資格職で需要は安定していますが、「安定」の意味(給与か、需要か、働き方の柔軟さか)によって答えは変わってくると思います。
Q. 臨床検査技師や診療放射線技師への転職は可能?
A. それぞれ別の国家資格が必要になるため、資格を取り直す必要があります。臨床工学技士としての現場経験は医療機器全般への理解として活きますが、直接の資格変換はできません。
Q. コメディカルの中で今後年収が伸びやすい職種はどれ?
A. 断言は難しいですが、AI・プログラム医療機器といった新しい技術との関わりが深い職種ほど、専門性の評価軸が増える可能性があります。臨床工学技士もその一つだと考えています。


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