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夜勤や当直の手当で年収が変わりやすい医療従事者にとって、ふるさと納税は「知っておくと得をする」制度のひとつです。ただ、寄附できる上限額や手続きを知らないまま始めると、思ったほど控除されないこともあります。臨床工学技士・看護師などの医療従事者向けに、ふるさと納税の仕組み、上限額の目安、手続き、医療職ならではの注意点をまとめました。
この記事は、ふるさと納税の制度の一般的な説明です。実際に控除される金額は、年収、家族構成、ほかの控除(医療費控除、住宅ローン控除、iDeCoなど)によって一人ひとり異なります。正確な金額は、各ふるさと納税サイトのシミュレーションや、お住まいの市区町村・税務署で確認してください。
ふるさと納税の仕組み
ふるさと納税は、応援したい自治体に寄附をすると、寄附額から自己負担の2,000円を引いた額が、所得税と住民税から控除される制度です。多くの自治体では、寄附のお礼として地域の特産品などの返礼品を用意しています。
上限額の範囲内で寄附すれば、自己負担は年間で2,000円。たとえば3万円を寄附すると、2万8,000円が税金から控除されます。
控除を受けられる金額には、年収や家族構成によって上限があります。上限を超えた分は控除されず、自己負担が増えます。
1月1日から12月31日までの寄附が、その年の分として計算されます。年末に寄附する場合は、決済日に注意が必要です。
返礼品の金額は、寄附額の3割以下で地場産品とするルールがあります。2025年10月からは、ポータルサイトが寄附に応じてポイントを付けることも禁止されています。
控除上限額の目安
総務省が公開している、全額が控除される寄附額の目安の一部です。
| 本人の給与収入 | 独身または共働き | 夫婦(配偶者に収入なし) |
|---|---|---|
| 400万円 | 42,000円 | 33,000円 |
| 450万円 | 52,000円 | 41,000円 |
| 500万円 | 61,000円 | 49,000円 |
| 550万円 | 69,000円 | 60,000円 |
| 600万円 | 77,000円 | 69,000円 |
| 650万円 | 97,000円 | 77,000円 |
| 700万円 | 108,000円 | 86,000円 |
| 800万円 | 129,000円 | 120,000円 |
出典:総務省 ふるさと納税ポータルサイトの「全額控除されるふるさと納税額(年間上限)の目安」をもとに作成。給与収入のみで、住宅ローン控除や医療費控除などを受けていない場合の目安です。子どもの有無や年齢、ほかの控除によって上限額は変わります。
臨床工学技士の平均年収は約454万円、看護師は約525万円(いずれも厚生労働省 job tag、令和7年賃金構造基本統計調査ベース)なので、独身または共働きなら、4万〜6万円前後がひとつの目安になります。職種ごとの年収は臨床工学技士・看護師・医師の年収比較で紹介しています。
ふるさと納税の流れ

ワンストップ特例と確定申告の違い
| 項目 | ワンストップ特例 | 確定申告 |
|---|---|---|
| 使える人 | 確定申告が不要な給与所得者などで、寄附先が5自治体以内の人 | 誰でも(6自治体以上に寄附した人や、ほかの理由で確定申告する人は必須) |
| 手続き | 寄附した自治体ごとに申請書を提出(オンライン申請ができる自治体も) | 翌年3月15日までに、寄附の受領証明書をもとに申告 |
| 期限 | 寄附した翌年の1月10日必着 | 寄附した翌年の3月15日まで |
| 控除のされ方 | 全額が翌年度の住民税から控除 | 所得税からの還付と、翌年度の住民税からの控除 |
ワンストップ特例を申請していても、あとで確定申告をすると、特例は使えなくなります。その場合は、確定申告でふるさと納税の寄附金控除もあわせて申告する必要があります。
医療従事者が気をつけたいポイント
夜勤・当直の回数で年収が変わる
夜勤や当直、オンコールの手当は、月によって大きく変わります。上限額は「その年の1月〜12月の収入」で決まるので、前年の源泉徴収票だけで計算すると、今年の収入とずれることがあります。年の途中で寄附する場合は、少し控えめな金額にしておき、年末に12月分の給与の見込みがついてから追加で寄附すると安心です。
転職した年は収入が読みにくい
転職した年は、前の職場と新しい職場の収入を合算して考える必要があります。賞与の支給時期がずれることもあるので、上限額は余裕を持って見積もりましょう。
医療費控除を受ける年は確定申告が必要
自分や家族の医療費が多かった年に医療費控除を受ける場合は、確定申告が必要になるため、ワンストップ特例は使えません。医療費控除を受けると、ふるさと納税の上限額も少し下がることがあります。
住宅ローン控除やiDeCoと併用するとき
住宅ローン控除やiDeCoを利用していると、ふるさと納税の上限額が変わることがあります。住宅ローン控除の1年目は確定申告が必要です。複数の制度を使う人は、シミュレーションで詳細な条件を入力して確認しましょう。
12月は忙しい時期と重なる
年末は勤務が不規則になりやすく、申し込みを後回しにしがちです。12月31日を過ぎると翌年の分になってしまうので、上限額の目安がわかった時点で、早めに手続きを済ませておくのがおすすめです。
返礼品の選び方のヒント
トイレットペーパーやティッシュ、洗剤などの日用品は、毎月の出費を減らす実用的な選び方です。
冷凍の肉や魚、ご飯のおかずなど、すぐに食べられるものは、疲れて料理をしたくない日の助けになります。
お米や果物などを数回に分けて届けてくれる定期便なら、冷凍庫がいっぱいになりにくく、受け取りの負担も分散できます。
不規則な勤務だと、生ものの受け取りが難しいこともあります。配送日を指定できるか、常温で保存できるかも確認しておきましょう。
現場から見た実感
医療の現場では、手当の内訳が月によって大きく変わるので、「自分の年収がいくらか」をはっきり把握していない人も少なくありません。ふるさと納税を始めるときは、まず前年の源泉徴収票を見て、支払金額(年収)と家族構成を確認するところから始めるのがおすすめです。手当の内訳については臨床工学技士の年収のリアルでも紹介しています。
ふるさと納税サイトの選び方
ふるさと納税は、自治体の返礼品をまとめて探せる「ふるさと納税サイト(ポータルサイト)」から申し込むのが一般的です。2025年10月からはサイト独自のポイント付与が禁止されたため、選ぶときは次の点を比べると決めやすくなります。
- ふだん使っているIDや決済が使えるか:ログインや支払いの手間が少ないサイトだと、年末の忙しい時期でもすぐに寄附できます
- 返礼品や自治体の数:欲しい返礼品があるかどうかを、先に検索して確かめておきましょう
- ワンストップ特例のオンライン申請に対応しているか:申請書の郵送が不要になる自治体もあります
au PAY ふるさと納税
:au IDでログインして寄附できるふるさと納税サイトです。auを契約していなくても、au IDを作れば利用できます。
掲載している自治体や返礼品、申し込み条件は変わることがあります。寄附の前に、サイトの最新の情報をご確認ください。
始める前のチェックリスト
- 前年の源泉徴収票:支払金額(年収)と、扶養している家族の人数を確認する
- 今年の収入の見込み:夜勤・当直の回数、賞与、転職の有無で前年と変わらないか
- ほかの控除:医療費控除、住宅ローン控除、iDeCoを使う予定があるか
- 手続きの方法:5自治体以内でワンストップ特例にするか、確定申告をするか
- 期限:寄附は12月31日まで、ワンストップ特例の申請は翌年1月10日必着
まとめ
ふるさと納税は、上限額の範囲内で寄附すれば、自己負担2,000円で返礼品を受け取れる制度です。医療従事者は夜勤や当直の手当で年収が変わりやすいため、上限額は余裕を持って見積もり、年末に収入の見込みがついてから追加で寄附すると安心です。5自治体以内ならワンストップ特例、医療費控除などで確定申告をする人は寄附金控除もあわせて申告する、という手続きの違いも押さえておきましょう。
よくある質問
上限額を少し超えてしまったらどうなりますか?
超えた分は控除されず、自己負担になります。損をするのは超えた分だけなので、大きく超えなければ深刻な問題にはなりませんが、上限額は余裕を持って見積もるのがおすすめです。
パートや非常勤の掛け持ちでもできますか?
できます。ただし、複数の勤務先から給与を受けていて確定申告が必要な場合は、ワンストップ特例は使えず、確定申告で寄附金控除を申告します。
控除されたかどうかは、どこで確認できますか?
翌年の5〜6月ごろに勤務先から配られる「住民税決定通知書」の、寄附金税額控除の欄で確認できます。


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